◇東証大引け、1カ月ぶり安値 米株安受け、下値で押し目買いも
25日の東京株式市場で日経平均株価は続落。前週末比77円86銭(0.74%)安の1万0512円69銭と、昨年12月25日以来1カ月ぶりの安値で終えた。前週末22日の米株式相場が大幅に3日続落したことや為替相場の円高基調を受けた売りで、下げ幅は一時170円を超えた。ただ、売り一巡後は下げ渋った。米株安や国内政治を巡る不透明感にもかかわらず、海外投資家の日本株買いは続いているとの見方から下値では押し目買いが入った。市場では「キヤノンなど主力企業の業績上ぶれ観測が相次いで伝わるなど企業業績に対する期待感も根強い」(大手証券の情報担当者)との声も聞かれた。
民主党の小沢一郎幹事長が資金管理団体を巡る問題で東京地検特捜部から事情聴取を受けたほか、沖縄県の名護市長選挙では米軍普天間基地の移設受け入れに反対する候補者が当選した。政局混乱で2010年度予算審議が遅れることや、海外投資家が日本株に対して慎重姿勢を強めることへの懸念を誘った。ただ、政局リスクを背景とした売りは目立たず、下値の売りにくさにつながったとの声もあった。
東証株価指数(TOPIX)は続落。東証1部の売買代金は概算で1兆4212億円。売買高は19億1582万株と、節目の20億株を下回り4日以来の低水準だった。日本時間今夜の米株式相場の動向や今後発表が相次ぐ企業業績を見極めたいとして、様子見ムードも広がった。東証1部の値下がり銘柄数は全体の6割強にあたる1072銘柄、値上がりは464銘柄、変わらずは148銘柄だった。
ホンダ、トヨタ、デンソーが売られ、東エレク、信越化が下げた。ファストリ、ソフトバンクが安い。郵船、商船三井、川崎汽が軟調。三菱UFJ、みずほFG、三井不、菱地所がさえない。東京製鉄は大幅安。半面、キヤノン、ソニー、TDK、パナソニックは買われた。イオン、高島屋、セブン&アイが上げた。
東証2部株価指数は小幅ながら反発した。大幸薬品、AQインタ、アクセルが上げた。半面、トーセイ、山洋電、アインファマが下げた。〔NQN〕